19世紀末、ヨーロッパを中心に花開いた装飾美術の運動アール・ヌーボーを代表する芸術家ミュシャ。報われない時期を経て手掛けた舞台女優サラ・ベルナールの芝居のポスターで一躍時代の寵児となり、その後ポスターや商品広告、舞台衣装など美しく華麗なデザインを数多く手掛けました。この作品は『Ilsee princesse de Tripoli』というタイトルで1897年にパリで出版された挿絵本の1項。日本語では「トリポリの姫君イルゼ」と紹介されている。1895年に公演された戯曲「遠方の姫君」の豪華版として企画され、脚本はロベール・ド・フレール(Flers,Robert de)が担当、ミュシャは134枚の挿絵を描いた。
こちらのポスターはリトグラフになります。リトグラフ(lithograph):平板印刷の一種で油(インク)の撥水性を利用した印刷方法です。オフセット印刷の原型となる印刷方法で、元々は石(=リト)を原版に使用した為リトグラフと呼ばれますが、現在はより扱いに適したアルミ版が多く使われています。細かい筆致やインクの飛沫など原版の表現を損なう事無く印刷できるのが特徴です。